建築物の長寿命化技術について

建築物の長寿命化技術

どんな建築物もそれなりに年数が経てば確実に劣化していくことは避けられません。建築物の寿命は「物理的・社会的・経済的」の3つの寿命が近づくと様々な不具合が出てきます。それを防ぐために近年、「長寿命化技術」という建築物の状態を長期的に維持する試みが注目されています。今回は、建築物の長寿命化技術について詳しく解説していきましょう。

日本の建築物は寿命が短い

日本の建築物は世界各国に比べて寿命が短いということは以前から指摘されています。平成8年度の建物白書の調べでは日本の平均寿命は26年、米国では44年、英国では75年と非常に差があることが分かります。また、最近の国土交通省の住宅・土地統計調査では自然災害や取り壊しなどによって滅失住宅に該当する平均年数は約30年というデータが公開されました。

日本の建築物が短命となっている原因は、高度経済成長期に建設されたほとんどがソフト・ハードな面で陳腐化してきているという点です。さらに既存住宅に対する不動産評価が築年数によるものが多く、中古住宅よりも土地の方が高く評価していることが強まってきていることも要因として考えられるでしょう。

フロー型社会からストック型社会へ

これまで日本で当たり前とされてきた「作っては壊す」という社会傾向は、地球問題に直結するというテーマをもとに見直されるようになってきました。建築物の建替えは廃棄物を大量に発生させ、この廃棄物の削減が大きな障害となっているということが問題視されているのです。

解体時や建設時のエネルギー消費や温室効果ガスの発生など資源に関わる課題も抱えています。この要因から「良いものを作り長く使う」といった長寿命化に高い関心が寄せられるようになりました。スクラップ&ビルドといったフロー型社会から、省資源を目指すストック型社会へのシフト変更が求められているとも言えるのではないでしょうか。

長寿命化技術で求められること

建築物の寿命を延ばすためには強度や耐久性、耐震性などの構造性能を高めると共に、利用目的の変化に応じて改修可能性や設備更新の建設を優れたものにすることを指します。建築物の計画から始まり、施工、維持管理など全てにおいて長期的な視点で考えることが必要になるでしょう。具体的には施工や運用時に発生する廃棄物の排出量やエネルギー消費をどう低減させるか、コンクリートや木材など様々な建材の耐久性を向上させた新しい製品研究・開発が進められています。

長寿命化技術では多様な住み方、改修のしやすさなどの研究・開発により近年では「スケルトン・インフィル住宅」が注目されています。老朽化や家族構成の変化に柔軟に対応することができ、改修・修繕しやすい建物として長寿命化を可能にすることができる計画・技術として採用されています。今後も建築物の寿命を延ばすために長寿命化技術の発展に注力していくことでしょう。

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