建物の劣化診断

建物の劣化診断

建物の安全性を確認する作業は建築当時の状態を常に維持管理し、快適な住環境を築き上げる上で重要なことです。建物の健全度を調べる方法はいくつかありますが、今回は劣化診断の際に行う4つの調査方法について解説していきましょう。

コンクリートの中性化深度試験

中性化深度試験とは、躯体コンクリートの経年劣化を調べるための試験です。コンクリートは通常アルカリ性によって内部の鉄筋が酸化するのを抑え強度を保っています。しかし、経年により外壁が劣化してくると大気中に含まれる炭酸ガスと反応して中性化してきます。

この中性化が鉄筋まで到達すると、鉄筋が腐食し構造の強度が低下してしまうのです。中性化深度試験ではコンクリートの一部をコアドリルで抜き出し、フェノールフタレイン試薬を塗っていきます。ここで紫色に変色すれば通常のアルカリ性、色が変わらなければ中性化していると判断します。

コンクリートの圧縮強度試験

圧縮強度試験とは、コンクリートの強度を調べるための試験です。コンクリートの耐用年数は30~50年と言われていますが、設計内容や立地環境、施工技術によって変わります。試験ではコアドリルで一部分を抜き出したコンクリートを圧縮試験機にかけ、強度を測定します。

タイル・塗装の付着力試験

付着力試験とは、タイルや塗装が建物にしっかりついているか確認するための試験です。タイルや塗膜が浮いている外壁は打診調査で発見することができますが、浮いていない部分の接着力は付着力試験によって調べていきます。この検査で建物全体の劣化状況を確認することが可能です。調査方法は一面に対して数箇所で試験を行い、試験部分が破断した箇所は付着力が弱い、または劣化していると判断されます。

シーリングの劣化調査

シーリング劣化調査とは、外壁に使用するシーリング材の劣化具合を調べる検査です。シーリングは目地やサッシの隙間に雨水などが入らないようにするためだけでなく、外部からの揺れを吸収する作用もあります。

調査方法はシーリングの一部を切り取り、引張試験機にかけて伸び率を調べていく方法です。紫外線の当たり具合によって劣化状況が変わってくるので、建物の面それぞれに数箇所ずつ検査を行う場合もあります。

建物を良好な状態で維持するためには定期点検も大切ですが、劣化診断と併せて行うことでより建物を長持ちさせることができます。建物に使用する建材によって調査内容が異なるので、物理的・化学的な試験を取り入れながら劣化診断を行うようにしてください。

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